当社代表の伊賀聡一郎が国際会議 PAEE/ALE 2026(International Conference on Active Learning in Engineering Education) において、研究発表を行いました(2026年6月5日@大正大学)。
“An Active Learning Framework for Humanity-Centered Design Education: Designing Board Games to Explore Social Issues”(論文PDF)
近年、社会課題はますます複雑になっています。こうした課題に向き合うためには、単に「目の前の利用者の困りごと」を解決するだけでなく、社会全体や将来世代への影響も考える視点が求められています。
本研究では、そのような視点を育むために、大学生が社会課題をテーマにしたボードゲームを制作する教育実践を紹介しました。単にボードゲームで遊ぶという実践は多く見られますが、本研究では実際に問題発見から自分たちでボードゲームをプロトタイピングする取り組みになっています。
学生たちは、まず身近な社会問題を見つけ、インタビューや情報収集を通じて背景を調査します。その上で、問題の構造や人々の行動、社会の仕組みを「ゲームのルール」として表現し、他の人が実際に遊びながら社会課題を体験できるボードゲームを制作しました。
例えば、食品ロスをテーマにしたゲームでは、プレイヤーが食材を購入し、レシピに合わせて調理を行います。しかし、使い切れなかった食材は時間の経過とともに賞味期限を迎え、廃棄しなければなりません。ゲームを通じて、買いすぎによる無駄や、食品を有効活用する工夫について自然と考えるきっかけが生まれます。
研究の結果、このようなボードゲームづくりは、
- 社会課題を「仕組み」として捉えるシステム思考
- 多様な立場の人の気持ちを理解する視点取得
- 試行錯誤を繰り返しながら学ぶ省察的学習
を促進する可能性が示されました。
エクスパークでは、これまでもエスノグラフィや人間中心デザインの知見を活かし、人や社会を深く理解するための実践に取り組んできました。今回の研究は、そうした知見を教育の場へ応用し、「よりよい社会をともに考え、デザインする人材」を育成する新たなアプローチとして位置づけられます。
今後も、研究と実践の往還を通じて、人と社会の未来に貢献する取り組みを続けてまいります。
エクスパークでは、人間中心デザインやエスノグラフィの知見を活かし、企業・教育機関と連携した人材育成やワークショップの企画・実践にも取り組んでおります。社会課題に向き合う学びのデザインにご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

